ウェディングドレスに合わせる小物がたくさんあるのと同じで、和装にも必要な小物がいくつかあります。
和装で必需品とされるほとんどの小物は、江戸時代に実用品として女性が使っていたもの。
それを簡略化したものが、和装の花嫁の小物として使われているんです。
そのひとつひとつに、きちんと意味がある和装小物。
しっかり意味合いを踏まえて着ると、凛と引き締まる思いになりますね!
懐剣は、武家の女性が護身用に持っていた短剣です。帯の間に挿して飾ります。
剣をそのまま挿すわけではなく懐剣袋に入って、白い組み紐がついたものが一般的な形。
『邪悪なものを寄せ付けない』
『自分の身は自分で守る』
『一度嫁いだら帰らない』
そんな意味が込められているとされ、妻となる覚悟やお守り的な役割なんだそう。
武家の女性が、身だしなみに使う白粉や紅筆などを入れて、胸元に差し込んでいた箱状のものです。
今でいう、化粧ポーチのようなものですね。
刺繍や房が施されていて、胸元の合わせに差し込んで飾ります。
『身だしなみに気をつけて、いつまでも美しく』
そんな意味が込められているそう。
末広とは、『扇子』のこと。広げると、片側は金、もう片側は銀色になっています。
ただし、広げて使うのはマナー違反とされているので気をつけて!
帯に挿して飾りますが、例えば写真を撮るために手に持つときも、閉じた状態で持ちましょう。
『末広がりの幸せが続きますように』
末広という文字通り、そんな意味が込められているそう。
抱え帯は、帯の下の方に結ぶ、細い帯のことです。
昔、階級の高い家の女性は、長い裾を引きずって歩くような着物を着ていました。
外出の時はそんな裾を引きずらないように、紐でたくし上げていたんです。
それが抱え帯のルーツ。
帯の中心近くを締める紐のことです。
一般的な着物でも使うアイテムですが、花嫁衣裳では中に綿が詰まった「丸ぐけ」という種類の帯締めを使います。
『永遠に続く幸せ』
丸ぐけにはそんな意味があるそう。
帯枕を包み、背中からまわして前で結ぶ布です。
鹿の子絞り(かのこしぼり)という方法で作られた帯揚げには、
『子宝に恵まれる』
『子孫繁栄』
という意味もあるそうです。
白無垢にはすべて白でコーディネートされる事が多いですが、
今では個性を光らせて色味を合わせる花嫁さんも増えつつあります。
もちろん色打掛や引振り袖には着物に合わせたものを入れるとより華やかになりますね。